帯状疱疹時の痛みと帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹のイメージ画像

帯状疱疹の原因は、水ぼうそうと同じウイルスで、日本人の90%以上の体内に潜んでいます。加齢や疲労、ストレスで免疫機能が下がるとウイルスが活性化して帯状疱疹を発症することがあります。
初期での帯状疱疹の診断(皮膚科)と抗ウイルス剤の開始、早期よりの疼痛コントロールがその後の帯状疱疹後神経痛の発症を抑えるのではないかと考えられています。
発症期には抗炎症薬を中心に疼痛コントロールを行いますが、ペインクリニックでは、併用療法として炎症が起こっている神経領域へのブロック注射を行います。
自分の経験ですが、発症初期の場合、ブロック注射が疼痛コントロールに有効となることが多いです。

帯状疱疹後神経痛

程度の差はあれ、たいていの方は治癒しますが3か月以上たっても痛みが改善しない帯状疱疹後神経痛になる割合は、加齢とともに増加する傾向にあります。

治療

薬物療法:鎮痛薬、外用薬(湿布や軟膏)などを使用します。
ブロックの効果は、時間がたつほど発症初期と比べ効果が劣ります。しかし、人によって効果は異なります。ブロックにより効果が改善される場合もあります。

注意

ブロック薬物で痛みが改善しない場合、脊髄まで炎症が及んでしまった症例には体の中に電極を埋め込む脊髄電気刺激法が行われる場合があります。症例数の多い専門病院での治療を推奨します。この場合、入院治療となります。

帯状疱疹ワクチン

帯状疱疹の原因は、水ぼうそうと同じウイルスで、日本人の90%以上の体内に潜んでいます。加齢や疲労、ストレスで免疫機能が下がるとウイルスが活性化して帯状疱疹を発症することがあります。

50歳ぐらいから発症率が上がり、80歳までに3人に1人が発症すると言われています。程度の差はあれ、たいていの方は治癒しますが3か月以上たっても痛みが改善しない帯状疱疹後神経痛になる割合は、加齢とともに増加する傾向にあります。

予防接種には国が推奨する定期接種とそれ以外の任意接種があります。帯状疱疹ワクチンは、50歳以上に認められた任意接種になりますが、費用は全額自己負担となります(自治体によっては一部負担制度ありますが、大阪府にはありません)。

シングリックス🄬は、50歳以上に認められた任意接種の帯状疱疹ワクチンです。筋肉内注射で2カ月以上開け、2回のワクチン接種が必要です。97%以上の発症を抑制し、帯状疱疹後神経痛の頻度も低下させます。ただし1回接種に22,000円合計44,000円と高額です。