骨粗鬆症とは

骨粗鬆症のイメージ画像

骨の強度には骨の密度が7割、骨質が3割関与していると言われていますが、骨粗鬆症とは、加齢とともに骨の密度が減少し、骨質も劣化して骨がもろくなる病気です。
現在、日本では1200万以上が骨粗鬆症であると推定され、年々増加傾向にあります。しかし、自覚症状がほとんどないことから意識されていない方も多いと思います。
女性は閉経後の女性ホルモン減少とともに急速に進行し男性よりも多く認められます。骨粗鬆症で恐ろしいのは、ある日突然、何気ないことでも骨折が発生することです。大腿骨の骨折や椎体骨折による不動は、筋肉の減少や臓器機能の低下を引き起こし、脳血管疾患や心疾患とともに死因の3大要素に挙げられています。そのため、骨粗鬆症の方には、骨粗鬆症治療の開始をお勧めします。

診断

当クリニックでは短時間で骨粗鬆症のスクリーニング診断を行えます(MD法)。
骨粗鬆症はそのままではよくなりません。積極的な治療薬による介入が必要です。治療効果は、結果(骨粗鬆症マーカー)をみながら判断します。

治療

転ばないようにすること、カルシウム、ビタミンD、リン、マグネシウムなどの栄養補給とたんぱく質を意識して摂取する食事、運動習慣と日光浴が大切です。アルコール・たばこは骨粗鬆症のリスク因子です。骨粗鬆症治療薬は内服から注射までいろいろあります。薬については相談しながら対応します。

椎体骨折

高齢者において多い要因は骨粗鬆症です。骨折による痛みは個人差が大きく気づかない時もあれば、激痛で全く動けない場合もあります。胸椎と腰椎の間での発生が多いです。
椎体骨折の場合は、腫瘍による骨浸潤による骨折もあることから血液検査、レントゲンのみならずCTやMRIによる精査が必要です。

治療

通常、簡易コルセットなどの外固定をし、安静にすることによって3~4週間で強い痛みは和らいできますが、長期臥床は筋力の低下を引き起こしますのでリハビリも大切です。疼痛が強い時期にブロック注射で、寝たきりの期間の短縮をはかります。薬としては、鎮痛薬を中心に処方することになりますが、骨粗鬆症治療薬も骨折の回復と再度の骨折を防止する為に必要となってきます。

注意

高度な圧迫骨折や骨の破片が脊髄を圧迫しているような場合は、入院による保存治療や外科的治療が必要となります。