• 2026年4月14日

減量時の運動について  

いとうペインクリニック院長の伊藤です。腰痛や膝痛の患者さんで、先生、体重落とせば痛みは軽減しますよね、痩せるのにはどうしたらいいのでしょうか?と聞かれることがあります。私自身も太っていますのでアドバイスをするのはおこがましいと思っていますが、減量において最も大切なのは、カロリー制限です。しかし、体重が落ちればいいというものではありません。健康な肉体を維持するには筋肉量は落とさないようにする必要があります。また、痛みを軽減する為には、筋肉を増量することが大切であると思っています。

自分の経験ですが、以前、膝の痛みで、手すりがないと階段の昇り降りが、できないレベルまで悪化してしまいました。そこで、2年前から、近所のトレーニングジムで、下半身中心の筋トレを始めました。結果、体重は少し増えましたが、階段の上り下りに苦労するようなことはほとんどなくなりました。(蛋白摂取量を意識的に増やし、筋トレは、特に大腿四頭筋を鍛えるレッグエクステンションとレッグプレスを中心に週一回、トレーニング時間は30分程度行っています。)

今回、減量中の運動についての話ですが、減量中にどのような運動が脂肪のみを減らすのに重要なのかという論文がありましたのでこれについてのお話をしたいと思います。

参考文献1)Front Endocrinol (Lausanne). 2026 Jan 15:16:1725500.
doi: 10.3389/fendo.2025.1725500. eCollection 2025.
Resistance training as a key strategy for high-quality weight loss in men and women
Yair Lahav Roi Yavetz Yftach Gepner 

この研究では、2020年から2023年にかけてイスラエルで実施された減量プログラムに参加した304人の男女が対象となっています。

304人の参加者は、それぞれにあわせた低カロリー食(約500kcal/日のエネルギーがマイナス+タンパク質摂取量は1日あたり1.5g/kg)が設計されています。

そして、筋トレ(以下RT)、有酸素運動(以下AR)、運動なし(以下NO)の3群に分けて、経過観察を行い、目的の体重減少になった時点での、腹部腹囲長と体脂肪の減少を測定しています。

平均観察期間は5.1ヶ月±0.42ヶ月でした。

結果ですが、男女とも総体重減少は筋トレ(RT)、有酸素運動(AR)、運動なし(NO)で同様な体重の減少が認められました。

しかし、腹囲と除脂肪体重については統計的な有意差をもって差が認められました。

腹囲は、筋トレ(RT)>有酸素運動(AR)>運動なし(NO)の順で減少が認められました。

除脂肪体重(脂肪を除いた体重)の増加は、筋トレ(RT)のみで認められました。

散布図 参考文献1)を一部変更 RT(筋トレ)Aerobic(有酸素運動)No(運動なし)

例えば、上の図からは、体重15kgマイナスとなった場合、効率よく体脂肪を落とすには、筋トレ(RT)が、最も有効であることが分かります。

これらの結果からは、筋肉を維持しながら減量するにあたって、筋トレ(RT)が重要であることを示しています。

最近、肥満解消についての薬についての広告をよく目にしますが。食欲を落として減量する(カロリー制限と同じ)というものであって、薬を中止すれば、元の状態に戻ってしまうという報告もなされています。2)

個人的な意見ですが、健康的に痩せるためにはやはり多少の努力(運動)も必要になってくるのではないかと院長は思います。

参考文献2):JAMA. 2024 Jan 2;331(1):38-48. doi: 10.1001/jama.2023.24945.

Continued Treatment With Tirzepatide for Maintenance of Weight Reduction in Adults With Obesity: The SURMOUNT-4 Randomized Clinical Trial Louis J Aronne Naveed Sattar Deborah B Horn Harold E Bays Sean Wharton Wen-Yuan Lin Nadia N Ahmad Shuyu Zhang Ran Liao Mathijs C BunckIrina JouravskayaMadhumita A Murphy 

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