- 2025年10月6日
鈴木おさむさんも経験!「足底腱膜炎」の激しいかかと痛の原因と、痛みの専門的な治療法

先日、元放送作家の鈴木おさむさんが、自身のインスタグラムで「足底腱膜炎になりました。多分。めっちゃ痛いです」と、足の痛みに苦しんでいる現状を明かしました。
参考記事)Yahoo!【 鈴木おさむ 】 「足底腱膜炎になりました。多分。めっちゃ痛いです」「日に日に痛みは増してる感じが」 現況明かす
「朝、起きて歩行困難くらいになり」「日に日に痛みは増してる」という、つらい症状に悩まされているというニュースは、共感されるかたも多いのではないでしょうか。
今回は、この足底腱膜炎(そくていけんまくえん)とはどのような病気なのか、その症状や、痛みの専門クリニックであるペインクリニックでの治療法について解説します。
足底腱膜炎とは? 鈴木さんの症状は典型的です

足底腱膜炎は、足裏の腱膜に負担がかかることで、炎症が生じ、足の裏のかかとから指の付け根にかけて広がる痛みを主訴とする病気です。
主な症状と悪化要因について
- かかと部分の痛み: 特に、かかと部分に圧痛や歩行時の痛みが生じます。
- 動作開始時の激痛: 朝の一歩目や、長時間座った後など、動作を始める際に強い痛みを感じるのが特徴的です。
- 痛みの悪化要因: 腱膜への過度の負担。:鈴木さんの場合、「ディズニーランド行って、めちゃくちゃ歩いて」という、長時間の過度な歩行が症状悪化のきっかけになったと説明しています。
著名人も悩まされる身近な疾患
実は、足底腱膜炎は非常に身近な疾患であり、お笑い芸人の出川哲朗さんも、頸椎症性神経根症と合わせて足底腱膜炎を患っていたことが話題になりました。日々の慢性的な足底腱膜への負荷のみならず、急激な足底腱膜への過負荷が原因でも発症することがあります。
足の痛み、「どこで診てもらうべき?」

鈴木さんは「まずこれって整形外科??」と、受診すべき科について疑問を呈しています。
足底腱膜炎は骨、関節、筋肉、神経といった運動器の専門である整形外科で診療を受けられます。しかし、特に痛みが強く、日常生活に支障をきたしている場合、痛みの治療を専門とするペインクリニック内科も選択肢として大変有効です。
ペインクリニック内科は、麻酔科の医師が中心となって“痛み”(ペイン/Pain)を治療する診療科です。足底腱膜炎など整形外科疾患の痛みもカバーした診療を行っています。
ペインクリニックだからできる専門的な治療アプローチ

鈴木さんのように「日に日に痛みは増してる」と感じている場合、痛みの専門的な治療が必要です。ペインクリニックでは、手術をしない保存療法を中心に、痛みの悪循環を断ち切ることを目指した治療が行われます。
治療方法
・ 神経ブロック注射による痛みの軽減
強い痛みに対して、痛みの伝達を遮断し、血流改善や炎症を抑える目的で神経ブロック注射を実施します。これは、つらい急性期の痛みを速やかに和らげたい場合に行います。特にステロイド注射が有効です。
・ 薬物療法
標準的な消炎鎮痛薬や湿布に加え、痛みの程度や患者様の状態に合わせて、薬剤を選択・調整します。
・ 消炎鎮痛リハビリテーション・テーピング指導
痛み止めや注射と並行して、リハビリテーションも重要です。当院で提供している消炎鎮痛リハビリテーションでは、温熱療法(乾式ホットパック装置)やマッサージ(あん摩マッサージ指圧師によるもの)を通じて、筋肉の緊張や血行不良を改善し、痛みの緩和を目指します。テーピングによる指導も行います。足底腱膜への負担を軽減する為、靴のインソールも重要です。
・体外衝撃波治療:衝撃波を患部に照射し腱組織を修復させる治療法です。除痛効果だけでなく、組織修復作用もあり、血管新生や腱修復反応を促進する効果があるとされています。難治性の足底腱膜炎に保険適応されていますが、当院では導入していません。
悪化を防ぐためのセルフケアと早期受診の重要性

鈴木さんは、スポーツマッサージの先生に教わったテーピングがうまくいかず、「カカトを守ってくれるサポーター買って付けてるとまだまし」と試行錯誤しています。サポーターは負担を軽減する一つの有効なセルフケアですが、痛みが「日に日に増してる」状態であれば、自己判断で我慢せず、専門医による正確な診断と治療を受けることが大切です。
足底腱膜炎は、適切な治療を早期に開始することで、日常生活の質(QOL)を大きく改善することが期待できます。足の裏の痛みでお悩みの方は、「治らないから仕方ない」と諦めてしまう前に、ぜひ一度、いとうペインクリニックにご相談ください。