- 2025年3月8日
- 2025年3月9日
神経ブロック注射
神経ブロック注射とは
血管や筋肉が緊張することで血流が悪化し、さらに痛みが増すという『痛みの悪循環』を断ち切ることができます。

局所的に麻酔薬を用い、痛みをブロックする治療です。局所麻酔ですので効果は一時的なものですが、痛みにより神経が興奮し、血管や筋肉が緊張することで血流が悪化し、さらに痛みが増すという『痛みの悪循環』を断ち切ることができます。それにより痛みが和らぎ、鎮痛効果が持続すると考えられています。また血流が増加し、発痛物質が疼痛部位より排出されるという効果も期待できます。
神経ブロックは、痛みの原因となっている神経の周囲や神経に直接、神経の興奮伝導を鎮める局所麻酔薬や炎症を抑えるステロイドを投与し、強い痛みを抑える治療法です。
薬の内服で効果が出ない場合や、手術後も改善しない場合に有効です。局所麻酔薬はその名のとおり、痛みのある部位にのみ注射をするため、副作用は内服薬よりもはるかに少なく済むというメリットがあります。
なお、当クリニックでは超音波装置やX線透視装置を用いて安全に目的部位に注射を行います。
神経ブロックの種類や施行する回数は、痛みの原因や症状、部位によって異なりますが、繰り返し行うことで、痛みを起こす神経の周りの筋肉や関節などの炎症を抑え、血流を改善することにより、徐々に痛みを軽減していきます。神経や痛みの原因とされる部位を手術で切除することはありません。
■ブロック注射には部位や症状により、大まかに以下のような種類があります
星状神経節ブロック | 星状神経節は首の付け根に位置する交感神経の集まりで、頭や顔、腕、胸など広範囲を支配しています。このブロックは交感神経の興奮を抑え、筋肉の緊張を緩和し、血流を改善して痛みを軽減します。適応疾患には頭頚部・肩の痛み、神経痛、アレルギー性鼻炎、顔面神経麻痺、多汗症などがあります。 |
トリガーポイントブロック | トリガーポイントは筋肉や筋膜にできる痛みの原因となる硬結部位です。この部位に局所麻酔やステロイドを注射することで、筋緊張を和らげ、痛みの悪循環を断ち切ります。肩こりや腰痛、緊張型頭痛、腱鞘炎などが対象です。 |
三叉神経ブロック | 三叉神経は顔面の感覚を支配する重要な神経です。局所麻酔を使用して痛みの信号を遮断することで、三叉神経痛などに使用しますが、頭蓋内まで針を進めることもあり、入院での治療が必要です。※当院では実施しておりません。 |
硬膜外ブロック | 背骨内の硬膜外腔に局所麻酔を注入し、炎症や痛みを和らげる治療法です。椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、ぎっくり腰などが対象で、神経の異常な信号を遮断して症状を軽減します。 |
腕神経叢ブロック | 頚椎から出る神経が集まる腕神経叢に麻酔薬を注射し、肩や腕の痛みを緩和します。頸椎症や胸郭出口症候群、帯状疱疹後神経痛が対象で、痛みだけでなく血行障害の改善効果も期待されます。 |
坐骨神経ブロック | 臀部の深部にある坐骨神経の周囲に麻酔薬を注射し、腰から足にかけての鋭い痛みを緩和します。坐骨神経痛などが適応症です。 |
神経根ブロック | 神経根に直接麻酔薬を注入する治療法で、痛みの原因となる神経が特定されている場合に有効です。頚椎症性神経根症や帯状疱疹後神経痛、坐骨神経痛などに適応されます。 |
胸部・腰部交感神経節ブロック | 腰部の交感神経節に麻酔薬を注入し、下肢の血流改善や神経性痛の軽減を図ります。下肢閉塞性動脈硬化症やバージャー病、CRPS、足底多汗症が対象ですが、入院での治療が必要です。(当院では実施せず。) |
肩甲上神経ブロック | 肩甲上神経に麻酔薬を注射し、四十肩や五十肩、肩関節周囲炎などの肩の痛みを和らげます。この神経は肩関節や肩甲骨周辺の運動や感覚を司っています。 |
腰神経叢ブロック | 腰椎の椎間関節に局所麻酔を注入し、炎症や痛みを軽減します。ぎっくり腰や椎間関節症、坐骨神経痛などの疾患が対象です。 |
椎間関節ブロック (後枝内側枝ブロック) | 椎間関節ブロック(後枝内側枝ブロック)は、頚椎や腰椎の椎間関節に局所麻酔薬やステロイドを注射し、炎症や痛みを軽減する治療法です。椎間関節は脊椎を構成する椎骨同士がつながる部分で、加齢や負荷による摩耗で炎症が生じ、動作時に痛みを引き起こすことがあります。特に腰を反らす動作で痛みが増すのが特徴です。 対象疾患には、ぎっくり腰、椎間関節症、坐骨神経痛、頚椎症性神経根症などがあります。この治療は痛みの緩和と炎症抑制に有効です。 |
その他 | その他の注射として、当院では、肩関節・股関節・膝への関節注射やばね指や腱鞘炎に対しての腱鞘ブロックも行っています。 筋肉と筋肉の間の筋膜の動きをスムーズにするためのハイドロリリース(Hydrorelease)ブロックや、肩甲骨の間の痛みやコリをほぐす肩甲背神経ブロック、膝関節の痛みを緩和するためのGenicular nerve ブロックや股関節前方の痛みを緩和するためのPENG(Pericapsular nerve group )ブロックなども実施しています。 |