• 2025年3月9日

帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹後神経痛について

帯状疱疹後神経痛とは、帯状疱疹と呼ばれる疾患が治癒した後に残る神経の痛みを指します。帯状疱疹とはヘルペスウイルスの一種である水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる病気です。このウイルスは子供のころに罹った水痘(みずぼうそう)の原因と同じもので、水痘が治った後も神経に棲みついていたこのウイルスが、後年、再び活動を始めてしまうと、帯状疱疹を発症させます。

帯状疱疹は皮膚の一部分で神経領域に沿って水ぶくれが生じ、皮膚と神経で炎症が起こるものですが、発症のきっかけとなるのは、主に加齢による免疫力の低下で、50歳以上になるとリスクが高まります。このほか、過労やストレスが原因となる場合もあり、若い方の発症も増加しています。80歳までに約3人に1人が帯状疱疹にかかり、そのうち約20%の方が帯状疱疹後神経痛を発症するとされ、とくに60歳以上の方に多くみられます。

帯状疱疹後神経痛の症状

帯状疱疹後神経痛は、水疱など皮膚にみられる帯状疱疹の症状が消えた後も痛みが残っている状態です。顔や体幹部で発症することが多く、痛みの症状としては、ピリピリした痛み焼けるような痛み刺すような痛み締め付けられるような痛みなどがあり、これらが長期にわたって持続する場合もあります。痛みの程度は患者様によって異なり、軽度の方もいれば、夜眠れないほど痛む患者様もいます。

また、神経で炎症が起こるため、耳の近くの神経で発症すると聴覚障害を目の付近で発症すると視力障害を起こすリスクがあります。さらに、顔面神経で発症すると顔面神経麻痺を引き起こし、平衡感覚障害や味覚障害など、さまざまな症状が現れる危険性があります。このほか、軽く触れるだけでも激痛を感じる“アロディニア”という神経障害を引き起こす方や患部の感覚が鈍くなる方もいます。

帯状疱疹後神経痛の治療

神経が傷んだことによる痛みは改善が難しい場合もあり、患者様に合わせた治療を選択し、組み合わせて行っていきます。

薬物療法としては、まず鎮痛薬の内服がありますが、神経痛に関しては、一般の鎮痛薬では効果が不十分なことがあります。その場合は、神経障害性疼痛薬や抗うつ薬を使用し、場合によっては医療用麻薬製剤であるオピオイド系鎮痛薬の使用を検討します。

このほか、帯状疱疹後神経痛に対して有効な治療法として、ブロック注射があります。これは痛みを起こしている神経の近くに局所麻酔やステロイド薬(抗炎症薬)を注射するもので、神経痛を緩和させる作用だけでなく、患部の血流を良くする作用もあり、痛みの改善に対して効果が期待できます。

神経痛が現れている部位によって、当院では以下のようなブロック注射を行います

星状神経節ブロック
頸部・上肢星状神経節ブロック
頸部神経根ブロック
胸部硬膜外ブロック
下肢腰部神経根ブロック
腰部硬膜外ブロック
お尻仙骨部硬膜外ブロック

帯状疱疹発症後、年単位で時間が経過すると、ブロック注射の効果は部位や重症度によって異なりますが、低下してしまいます。帯状疱疹の急性期に、週1~数回、数週間から数か月にわたって行うことで、帯状疱疹後神経痛への移行を防ぐことが期待できます。

帯状疱疹後神経痛を予防するためには、帯状疱疹の発症を予防するワクチン接種を行うことをお勧めしています。帯状疱疹ワクチン(不活化ワクチン、2回接種)は、当院で接種可能です。

※帯状疱疹の発症に関する大規模観察研究が米国で2020年に実施され、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が、50歳以上の成人における帯状疱疹の発症リスクを高める可能性があることが報告されました。

東淀川区で帯状疱疹発症後の痛みでお困りの方は、ぜひ、いとうペインクリニックまでご相談ください。

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