• 2025年8月26日

出川哲朗さんも悩まされた「頸椎症性神経根症」と「足底腱膜炎」は他人事じゃない!

「やばいよ、やばいよ!」のリアクションで、長年お茶の間を楽しませてくれている出川哲朗さん。還暦を過ぎても過酷なロケをこなす中で、頸椎症性神経根症と足底腱膜炎という2つの病気を診断されたことが話題になりました。

「自分には関係ない」と思っていませんか? これらの病気は、出川さんのように体を酷使する人に限らず、日常生活の何気ない習慣が原因で発症することがあります。今回は、それぞれの病気の原因や症状、そして当院での治療法について解説します。


なぜ首や肩、腕が痛くなるの?「頸椎症性神経根症」と「ストレートネック」の関係

正常な首の骨(頸椎)は、緩やかなS字カーブを描いて、重い頭を支えています。しかし、スマートフォンの使いすぎや長時間のデスクワークなどで、常に下を向く姿勢が続くと、このカーブが失われ、まっすぐな状態になってしまいます。これが「ストレートネック」別名「スマホ首」と呼ばれる状態です。

ストレートネックは、首の骨や椎間板に負担をかけ、加齢による変化を早めると考えられます。椎間板がすり減ったり、骨がトゲのように変形したりして、脊髄から出てくる神経(神経根)の通り道(椎間孔)が狭くなってしまうと神経(神経根)周辺の血流障害や圧迫により、痛みやしびれ、時には脱力などの症状を引き起こしてしまいます。これが頸椎症性神経根症という病気です。


頸椎症性神経根症の主な症状

  • 肩甲骨の内側や首の後ろから、腕や指先にかけての痛みやしびれ

肩甲骨のあたりが凝った感じ肩甲骨の周辺の痛みが頚椎症性神経根症の初期症状であることが多い。

  • 首を後ろに反らすと、痛みやしびれが強くなる

出川さんの場合、首から背中にかけての激しい痛みで、救急病院に駆け込むほどだったそうです。こうしたつらい症状は、単なる「肩こり」や「寝違え」だと思って放置すると、筋力の低下など、さらに重い症状につながる可能性があります。


症状の悪化を防ぐために

高いまくらを使用し、悪い方の上肢と脇の間にまくらなどを挟み込んで腕が下がらないようにすると痛みは緩和されます。沈み込む柔らかいまくらは頚椎症性神経根症を悪化させます。

当院での治療方法

1.薬物療法

・非ステロイド性消炎鎮痛薬 (NSAIDs):炎症を抑え、痛みを和らげる基本の薬です。

・神経障害性疼痛治療薬:神経の痛みやしびれ(ビリビリ、ジンジンなど)に効果が期待できます。

・筋緊張弛緩剤:首や肩周りの筋肉の過度な緊張を和らげ、血行を改善し、痛みを軽減します。(頸椎めまいに考慮)

・その他、症状に応じて漢方薬ビタミン剤オピオイド麻薬を含む)、抗てんかん薬、抗うつ剤、抗不安薬、睡眠剤なども処方します。

2.神経ブロック療法

ペインクリニックの専門的な治療法です。痛みの原因となっている神経(神経根、硬膜外腔、トリガーポイントなど)の近くに局所麻酔薬やステロイド薬などを注射し、痛みの伝達を遮断(ブロック)します。

・強い痛みを直接抑える:即効性が期待でき、つらい痛みを軽減します。

・痛みの悪循環を断つ:痛みを抑えることで、筋肉の緊張緩和や血流改善を促し、症状の長期的な改善につなげます。

・診断的意義:どの神経をブロックしたら痛みが和らぐかで、痛みの原因となっている部位を特定する手がかりにもなります。

頚椎症性脊髄症で麻痺が進行する場合や、神経根症でも痛みが非常に強く保存療法で効果がない場合などには、手術が検討されることもありますが、手術に至るケースは少ないです。


「歩くと痛い」は要注意!「足底腱膜炎」の原因と症状と治療方法

出川さんは首だけでなく、「歩くと痛い」という足底腱膜炎も発症していたとのことです。足底腱膜炎は、足の裏に繰り返し負担がかかることで、かかとから指の付け根にかけて広がる腱組織(足底腱膜)に繰り返し過度な負担がかかることで炎症が起き、痛みが生じる病気です。

足底腱膜炎の主な症状

かかと部分に圧痛、歩行時のかかと部分の痛み

考えられる原因として

  • 長時間の立ち仕事:時間の立ち仕事や運動(ランニングやジャンプ競技など)、特にアスファルトなど硬い道を走る場合に発症しやすい。
  • 加齢・肥満:足底腱膜への負担:扁平足やハイアーチ: 足のアーチ構造の崩れ。

ふくらはぎやアキレス腱の硬さ:足底腱膜に牽引力がかかり、炎症を起こしやすくなる。
合わない靴の使用: クッション性の低い靴や、足に合わない靴)薄くて硬い靴底の靴、小さすぎる靴、かかとが高い靴などを履いていると、足底腱膜への負担が増す。

長時間の立ち仕事や、ランニング、合わない靴の使用などが原因となりますが、出川さんのようにバイクに乗り続けるロケも、足に負担をかける要因の一つだったのではと考えられます。


治療方法

  • まずは安静:足底への負担を軽減するため、運動を控え、安静に努めることが重要。
  • ストレッチ:ふくらはぎや足底筋膜のストレッチ:足裏が伸びるように意識して足の趾から足首にかけて反らします。
  • 足底版(靴の中敷き)の調整:かかと部分への衝撃吸収素材と足底アーチを保持するような形状に作成したものを使用する。テーピングによる足底アーチの補助も有効だと思います。
  • 薬物療法:非ステロイド系消炎鎮痛薬(NSAIDs)の内服薬や外用薬(湿布)を使用する。痛みが非常に強いときはステロイドの局所注射を考慮します。
  • 手術療法:ほとんどの症例で、足底腱膜の離断や骨棘切除などの手術まで実施することは稀です。
  • その他:鎮痛剤などによる保存療法を半年以上行っても効果がない難治性足底腱膜炎に対しては、体外衝撃波疼痛治療が保険で認められています。衝撃波が痛みを取る仕組みについてはさまざまな説がありますが、治癒が促されると考えられています。2012年4月より条件付きで健康保険の適用となっています(当院では実施不可)。

当院では、問診や診察を通じて症状を詳しく確認し、適切な診断を行います。症状に応じて、つらい痛みやしびれの軽減を目指します。
もし、この記事を読んでご自身の症状と重なる点があれば、ぜひ一度いとうペインクリニックまでご相談ください。

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