• 2025年4月23日

ハイドロリリース(筋膜リリース)とは?

ハイドロリリースは、超音波エコーを使用して筋膜や周辺組織を正確に確認しながら、生理食塩水を筋膜に注入して治療を行う注射方法です。この治療により、筋膜の癒着を剥がし、筋肉の動きを改善させ痛みが軽減されるとされています。筋膜だけでなく神経の癒着を改善する作用もあると言われています。

超音波エコーを使えば、ハイドロリリースは低侵襲で安全性が高く、繰り返し受けることが可能な治療法です。ピンポイントで筋膜間に生理食塩水を投与するため、薬物による副作用のリスクが低く、局所麻酔薬などの薬剤に対する不安の強い方には安心してうけられる治療法かもしれません。


筋膜の働きと異常が引き起こす症状

筋膜は、筋肉や骨、内臓、神経など全身の組織を覆い、保護や支持、力の伝達などの重要な役割を担っています。この筋膜に癒着や異常が生じると、痛みやコリ、柔軟性が低下すると考えられています。ハイドロリリースは、このような筋膜の異常が原因で引き起こされる症状に有効とされています。

ハイドロリリースは、以下のような疾患に対して効果的と言われていますが、痛みの原因は、筋膜の癒着のみで解決はしませんし万能の治療法ではないと院長は考えています。

・肩こり、首の痛み、寝違え
・腰痛、ぎっくり腰
・手根管症候群、肘部管症候群
・梨状筋症候群
・術後創部癒着
・筋筋膜性腰痛
・外傷後の後遺症

ハイドロリリースと局所麻酔による注射の違い

局所麻酔液やステロイドを使用する局所麻酔による注射(ブロック注射など)は、神経の走行を考慮し、薬液を投与し、局所麻酔薬の血管拡張作用による血流改善や神経伝導路の遮断作用、ステロイドによる抗炎症作用などで痛みを抑え、痛みの悪循環を遮断させる治療方法です。一方、ハイドロリリースは生理食塩水などで筋膜や神経の癒着を剥がすことで、痛みや違和感などの症状の緩和を目指したアプローチです。

ハイドロリリースは、技術的には、難しくありません。当院で超音波エコーを用いて局所麻酔薬を投与する注射と同様の方法で行います。ただ、生理食塩水のみを投与するハイドロリリースは、保険診療にはなりません。希望者には考慮しますが、局所麻酔薬を用いない注射は自由診療となりますのでよろしくお願いします。

梨状筋症候群と考えられ臀部の張りを訴えられて来院されたスポーツ選手の患者さんの坐骨神経と梨状筋間(臀部)に生理食塩水を投与したところ、張りがたちどころに消失したという経験もあります。ハイドロリリースも症例を選べば効果のある治療法だと思います。

当クリニックでは、神経ブロックを実施する際に、超音波エコーを用いて筋膜間に薬を入れるブロック注射を多く実施していますが、筋膜間に局所麻酔薬を投与することでよくなる症状は数多く経験しています。

当クリニックでは、患者様お一人おひとりに適した治療プランを提案いたします。肩こりや腰痛など、気になる痛みがあれば、ぜひ一度「いとうペインクリニック」までご来院ください。

いとうペインクリニック 06-6755-9074 ホームページ