• 2026年2月13日

ペインクリニックの治療は、注射だけではありません 気軽に受診してください。注射でも内服薬でもない、貼付剤(シップ)について

いとうペインクリニックの院長の伊藤です。ペインクリニックってとにかく注射するんでしょ?痛いし怖いという患者さんも多くおられます。痛みがあるものの、ペインクリニックって程の痛みでもないし、ちょっとお薬とかもらえれば、という方も多くおられます。内服薬は嫌という方もおられます。そういう方にはまずは、貼付剤(シップ)のみの処方をしています。

本日は、当院でよく使用する貼付剤についてザクっとご説明します。

一般的なNSAIDs貼付剤

ロキソプロフェンテープ、ロキソプロフェンパップ、モーラステープ、(ケトプロフェン)など、これ以外にもいろいろあります。

テープとパップの違い

テープは、一般に薄くて皮膚に密着しはがれにくいです。一方パップ製剤は、接着する面が分厚く、水分を多く含んでおり、ひんやり感があります。好みによって処方しています。

第一三共株式会社ホームページ medical community医療関係者向きより抜粋

Hisamitsu サポートweb 医療関係者向け情報サイトより抜粋

モーラステープとパップは、いろいろなサイズがあり、使い勝手が良いのですが、成分であるケトプロフェンは日光によって貼った場所が、赤くなる光過敏症を引き起こすこともありますので注意する必要があります。

いずれのタイプの貼付剤も、赤み・かゆみ・水ぶくれが発生することがありますのでその際は、速やかに中止することが必要です。

かぶれやすい人には、フェルビナクスチック軟膏3%やロキソニンゲル1%などの外用薬も処方します。

三笠製薬株式会社ホームページより抜粋
第一三共株式会社medical community医療関係者向きより抜粋

MS温シップ・MS冷シップ

MS温シップ(タイホウ)

   

大鵬製薬ホームページTAIHOナビより抜粋

貼付部位に温感刺激を与え、鎮痛、消炎作用を示します。・サリチル酸メチル:鎮痛、消炎作用、dl-カンフル:鎮痛、消炎、鎮痒作用・トウガラシエキス:主成分のカプサイシンによる末梢循環機能の促進

MS冷シップ(タイホウ)

貼付部位に刺激を与え、血行を改善し、鎮痛、消炎作用を示します。サリチル酸メチルによる鎮痛、消炎作用・dl-カンフルによる鎮痛、消炎、鎮痒作用、l-メントールによる鎮痛、鎮痒作用があります。

大鵬製薬ホームページTAIHOナビより抜粋

安産性は高いのですが、周りへの匂いが、という方もおられます。そういう方には夜間や自宅におられるときのみの使用も提案しています。温シップは特に肩こりや慢性腰痛の方などが好んで使用されています。

経皮吸収型 持続性疼痛治療剤 

ジクトルテープ75mg(一般名 ジクロフェナクナトリウム)

経皮吸収型製剤といい、内服薬と同様に全身の痛みに対し効果を発揮します。
筋肉痛によく効きますが、緊張性頭痛、肩こり、腰痛など当院では最も処方している貼付剤です。特徴としては、24時間貼付する薬剤です。オピオイド鎮痛薬(モルヒネなど)と異なり、急に貼るのを中止しても「退薬症候(離脱症状)」は認められないため、痛くなくなれば、急にやめても問題はありません。内服剤のロキソニンやイブプロフェンなどと比べ、胃腸障害が少ないのが特長です。

久光製薬サポートwebより抜粋

当院では、痛みが強い場合は、1日2枚まで貼ってもらっています。
(癌性疼痛の場合は、1日3枚貼まで可能)
痛い場所に貼る貼付剤ではありません、適正な場所(下図)に貼る必要があります。

注意点ですが、NSAIDsの内服薬(例えば、ロキソニン🄬)や上述の一般的なNSAIDs貼付剤の併用は禁忌です。

禁忌となる患者さまの疾患について

  • 消化性潰瘍のある患者さま
  • 重篤な血液の異常のある患者さま
  • 重篤な腎機能障害のある患者さま
  • 重篤な心機能不全の患者さま
  • 妊娠後期の患者さま

ロコア🄬テープ(一般名:エスフルル ビプロフェン・ハッカ油製剤)

変形性関節症の消炎・鎮痛のために使用されますが、当院では主に変形性膝関節症の人に処方しています。膝へのヒアルロン酸注射や膝神経へのブロック注射も実施していますが、ロコア🄬テープのみで問題ない方も多くおられます。

大正製薬株式会社大正メディカルナビ ドラッグインフォメーションより抜粋

経皮吸収型鎮痛消炎剤です。最大1日2枚まで貼付できます(2枚で内服薬フルルビプロフェン通常量の内服と同等程度の効果を示す為、3枚は禁忌)。

禁忌となる患者さまの疾患について

  • 消化性潰瘍のある患者さま
  • 重篤な血液の異常のある患者さま
  • 重篤な腎機能障害のある患者さま
  • 重篤な心機能不全の患者さま
  • 妊娠後期の患者さま
  • 痛みがかなり強い方

ノルスパンテープ(一般名:ブプレノルフィン)5㎎、10㎎、20㎎

薬のしおり 一般社団法人 薬の適正使用協議会 ホームページより抜粋

麻薬ではありませんが、疼痛薬としては麻薬に準じるオピオイド(ブプレノルフィン)として通常の鎮痛薬では痛みのコントロールが難しい人に使用しています。7日間貼りっぱなしとなります。長風呂は体温の上昇による過剰吸収の危険がありますので、長風呂は禁忌です。初回投与より72時間、体の中で薬の濃度が上昇するまで時間を要します(5㎎よりの開始です)。ノルスパンテープがモルヒネとまったく同じ作用機序ではないので一概に換算できませんが、院長は、ノルスパンテープ20㎎使用時、1日換算で経口モルヒネ60~80㎎程度を想定しています。

腎臓の悪い方、透析患者さんにも使用できます。当院でも透析患者さんで、ノルスパンテープで痛みをコントロールされている方もおられます。

注意点としては高度の発熱や妊娠中は注意が必要です。1週間貼りっぱなしなのでかぶれなどが発生することがあります。

麻薬 フェントス🄬テープ(フェンタニル)

フェントス🄬テープ(一般名フェンタニルクエン酸塩)には、0.5㎎、1㎎、2㎎、4㎎、6㎎、8㎎の種類があります。

1日換算すると経口モルヒネ60㎎とフェントス🄬テープ2㎎が同等程度の強さになります。

3日ごとに貼り替えるデュロテップMTパッチがありますが、当院では麻薬の貼付剤は1日ごとに貼りかえるフェントステープをもっぱら使用しています。

急性疼痛には使用しません。慢性疼痛で他の薬剤に効果のない方に慎重に使用しています。

表 Hisamitsu Kyowa Kirin フェントス🄬テープ 適正ガイドより抜粋

注意点

貼付部位の温度が上昇するとフェンタニルの吸収量が増加し、過量投与になり、死に至るおそれがある。本剤貼付中は、外部熱源への接触、熱い温度での入浴等を避けること。発熱時には患者の状態を十分に観察し、副作用の発現に注意すること。


痛みは、生活の質(QOL)を大きく低下させてしまいます。
我慢せず、気楽にぜひ一度、当院にご相談ください。

いとうペインクリニック 06-6755-9074 ホームページ